清廉の聖女と革命の鐘

クリスティーナたちは同時に走り出した。

「王女殿下を捕らえるぞ!」

彼らも剣を構えて飛びかかってきた。
クラウディオは華麗な身のこなしでブルーノの攻撃をかわしていく。クリスティーナは心配に思いながら構わず彼らの横を走り抜けた。ちらりとクラウディオの灰色の瞳がこちらを向く。

ブルーノは蹴りを繰り出し相手を牽制する。そして続けて第二撃、ブルーノは彼の鳩尾に、目にも留まらぬ速さで、くるりと反転させて持ち替えた剣のポンメル(柄頭)で重い打撃を与えた。

「ぐっ!」
クラウディオが情けない呻き声を上げて倒れる。その姿を、ブルーノが憐れみにも似た眼差しと、それとは真反対の皮肉たっぷりこめた笑顔で見下ろす様を振り向きざまに見て、なぜかクリスティーナは肌が粟立つのを感じた。

「君の従者、腹黒すぎでしょー。それって聖女を守る騎士としてどうなわけ?」
飄々とした態度を崩さないながらも、ミカはイヤだイヤだと顔をしかめる。

クリスティーナはきょとんと首を傾げたが、ブルーノに「あの者は早急に黙らせるので、安心して向かってください」とさとされたので彼女は深く考えないことにした。

ブルーノも迫り来る敵を応戦しつつ走る。

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