清廉の聖女と革命の鐘
クリスティーナは驚いて顔を上げた。
灰色の煙水晶の瞳とクリスティーナの薄紫色の瞳がぶつかった。
「本当に目が紫だー!すっごく綺麗。欲しいな…」
愛嬌のある笑顔とその愛くるしい目のせいか、彼は実年齢よりも幼く見える。
「…あのっ、離してくださいっ!」
我に返ったクリスティーナが拘束を解こうともがく。だが、少女のように華奢な体はびくともしなかった。
どこにそんな力がっ!?
クリスティーナは懸命に腕を引き剥がそうとするが、彼は余裕の笑みを崩さない。
「それにこの銀髪!初めて見るなぁ。本当にきれいだぁ。ずっとみてられる」
ミカは麦色にほどよく日焼けした指で、うさぎの耳を撫でるようにクリスティーナの髪を梳く。
クリスティーナは一瞬で硬直した。今まで、ブルーノ以外の誰にもこんな至近距離で(しかも見知らぬ相手に!)接触されることが無かったためだろう。
「でも君はきっとすぐに他の男の物になっちゃうんだよね…」
しょんぼりと睫を下げ意味深なことを言うミカに、クリスティーナは戸惑うことしかできなかった。
「あの…それって_」
_それってどういうことですか?と、全てを言い終わらぬうちに、クリスティーナは凄まじい殺気を感じ反射的に後ろに振り向いた。
ひゅっ、ミカの息を呑む音がした。クリスティーナも目を見開く。