清廉の聖女と革命の鐘

…なんでしょう。後ろから不吉な話題が聞こえてくるような。

後ろを振り向きたいが、見ては駄目な気もするため、クリスティーナは取りあえず無我夢中で走った。

ここから先は崖がすぐ近くにあるため慎重に進まなければいけない。クリスティーナは、いつもこの道を避けて通っていたが今回は仕方ない。

木々の合間を抜けながら、ギルバートたちはいったい何をしているのだろう、とふと疑問に思う。過保護な騎士団長は、クリスティーナをブルーノ一人に任せることなんて絶対しないはず。

最低でも周りに巫女や神官がいない時は、部下を2、3人ほど護衛にまわさせる。

やはり、ギルバートたちは沖の方に様子を見に行ったのだろうか。

暗い道なので、ゆっくり足場を確認しながら進む。

彼らがいなくなったことで人手不足になって、こちらまで人員を割けなかったのかもしれない。

クリスティーナは一度立ち止まって息を整えた。
だが、ギルバートがここにいないのは逆に良かったのかもしれない。彼ならどんな敵でも返り討ちにするだろう。

「不本意だけど、私もギルバートを信頼しているのかもしれない…」
と、ぼんやり考える。


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