結構な腕前で!
「いやでも、普段の憂いを含んだ表情も素敵だし、魔との戦いではキリッとするし、何でもよく食べるのは魅力ですよ。魔のことをよく考えてるのも責任感がある証拠です」

 萌実が言うと、はるみはしばしぽかんとした後、ぶ、と吹き出した。

「凄いわ。そこまで良いように言い換えられるって」

 あははは、と身体を折って笑うはるみに、萌実は少し恥ずかしくなった。

「残念だけど、せとかに憂いなんてないから。ほんとに何も考えてないのよ。ふふ、でも恋する乙女は、そういう風に考えるんだ。あはは、そう思ってくれると、せとかも嬉しいでしょうね~」

「い、いや私も本気でそう思ってるわけでは……。でもぼーっとしてても格好良いですよ、せとか先輩は」

「そうかなぁ。私の好みではないけど。あのぼんやりさんも、人に興味がないから、常にぼーっとしてるのよね。昔から魔を見すぎたせいかしら」

 う~む、と考え、はるみは、ぽん、と手を叩いた。

「うん、だからこそ、せとかには萌実さんのような、魔なんか知らないうちに蹴散らしてしまえるぐらいの人がいいんだわ」

「そうそう、それについて、ちょっと思ったんですけど」

 何だか知らぬうちにせとかへの想いを語らされていた萌実は、ふと気付いて足を止めた。

「私が華道部にあったあの壺によって強化されたのだったら、真行寺先輩もかなりの力を持ってるんじゃないですか? 壺系の……」

 力があるからこそ、あんな食虫植物をも扱えるのではないだろうか。
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