結構な腕前で!
「でもさ、萌実ちゃんは、ちょっと状況が違うよ。何か皆、俺たちみたいな仲間はいない」
「でもそれも、今までよりも魔が強力だから、とても一人では対応できない故かもしれませんわよ? 人の思いは昔より汚くなってますし、戦などの理不尽な死も多いですしね」
「……戦って……そんなときからの魔を掃除しないといけないんですか? 前に神の子が現れたのって、いつなんです?」
せとみのフォローもばっさり斬られ、萌実は力なく聞いてみた。
せとみが文献を繰り、指を追って数える。
「四百年前とか……そんなもん?」
「そんなほいほい妙な力が現れるわけないでしょう。魔然りですわよ」
これまた考えてみれば、古戦場に魔が多い、というところからして時代が読める。
そういうことがあった時代には、神の子はいなかった、ということだ。
「そういうことがあった直後のほうが、負の空気はより強いような気がするけど」
はるみが、納得できないように首を傾げる。
「その一件だけじゃ、魔としては弱いのでしょう。単なる幽霊ですよ。魔として出現するには、おそらく長い年月が必要なのではないですか?」
せとみから文献を受け取ったせとかが言い、由梨花を見た。
「これ、ちょっと借りていいですか?」
「何故ですの。それに関しては、わたくしが今説明しましたでしょ」
「でも俺らも、自分の力のことを知るヒントになるかもな」
「せとみ様が必要なのであれば、どうぞ」
せとかの意見がせとみに変わった途端、ころっと態度を変え、由梨花はせとみに文献を渡した。
「でもそれも、今までよりも魔が強力だから、とても一人では対応できない故かもしれませんわよ? 人の思いは昔より汚くなってますし、戦などの理不尽な死も多いですしね」
「……戦って……そんなときからの魔を掃除しないといけないんですか? 前に神の子が現れたのって、いつなんです?」
せとみのフォローもばっさり斬られ、萌実は力なく聞いてみた。
せとみが文献を繰り、指を追って数える。
「四百年前とか……そんなもん?」
「そんなほいほい妙な力が現れるわけないでしょう。魔然りですわよ」
これまた考えてみれば、古戦場に魔が多い、というところからして時代が読める。
そういうことがあった時代には、神の子はいなかった、ということだ。
「そういうことがあった直後のほうが、負の空気はより強いような気がするけど」
はるみが、納得できないように首を傾げる。
「その一件だけじゃ、魔としては弱いのでしょう。単なる幽霊ですよ。魔として出現するには、おそらく長い年月が必要なのではないですか?」
せとみから文献を受け取ったせとかが言い、由梨花を見た。
「これ、ちょっと借りていいですか?」
「何故ですの。それに関しては、わたくしが今説明しましたでしょ」
「でも俺らも、自分の力のことを知るヒントになるかもな」
「せとみ様が必要なのであれば、どうぞ」
せとかの意見がせとみに変わった途端、ころっと態度を変え、由梨花はせとみに文献を渡した。