結構な腕前で!
「おそらく魔のピークに現れる神の子は、強力な掃除機のようなものでしょう。何せ吸い込むのが魔なわけですから、身体に相当負担がかかり、そのうち死んでしまう、といったところですか」
さらっと明るく説明する。
ぱらぱらと文献をめくっていた由梨花も、追い打ちのように頷いた。
「そうですわね。何年かおきに力の強い神の子か現れてますけど……うん、皆大して長く生きてませんわ」
「いいいいっ! ちょ、そんな恐ろしいこと、さらっと言わないでください!」
「ご自分の行く末は、知っておいたほうがいいんじゃなくて?」
「やめてくださいよぉ!」
半泣きで、萌実は叫んだ。
まさか自分が魔に食われて死ぬような運命だとは。
「大丈夫よ。萌実さんは、びーちゃんと共鳴しない限り、壺にはならないから」
はるみが、ぽんぽんと萌実の背中を叩いて言う。
言われてみれば、萌実が魔を取り込んだのは、由梨花の家で完全に意識を失ったときだけだ。
今まであんな状態になったことはないし、魔だって普通に打ち払ってきた。
「そ、そっか。じゃあ、あいつらの傍にいなきゃいいんだ」
ほ、と息をついた途端、しぱん、と由梨花の扇が萌実の額を打った。
「あいつらですって? びーちゃんは由緒正しい真行寺家の守り神ですのよっ」
「その守り神のお陰で己の身が危うくなるのは、おかしくないですか?」
命がかかっているので、萌実も噛みつく。
その間に、せとみは由梨花から文献を取り、ぱらぱらと内容に目を通していった。
さらっと明るく説明する。
ぱらぱらと文献をめくっていた由梨花も、追い打ちのように頷いた。
「そうですわね。何年かおきに力の強い神の子か現れてますけど……うん、皆大して長く生きてませんわ」
「いいいいっ! ちょ、そんな恐ろしいこと、さらっと言わないでください!」
「ご自分の行く末は、知っておいたほうがいいんじゃなくて?」
「やめてくださいよぉ!」
半泣きで、萌実は叫んだ。
まさか自分が魔に食われて死ぬような運命だとは。
「大丈夫よ。萌実さんは、びーちゃんと共鳴しない限り、壺にはならないから」
はるみが、ぽんぽんと萌実の背中を叩いて言う。
言われてみれば、萌実が魔を取り込んだのは、由梨花の家で完全に意識を失ったときだけだ。
今まであんな状態になったことはないし、魔だって普通に打ち払ってきた。
「そ、そっか。じゃあ、あいつらの傍にいなきゃいいんだ」
ほ、と息をついた途端、しぱん、と由梨花の扇が萌実の額を打った。
「あいつらですって? びーちゃんは由緒正しい真行寺家の守り神ですのよっ」
「その守り神のお陰で己の身が危うくなるのは、おかしくないですか?」
命がかかっているので、萌実も噛みつく。
その間に、せとみは由梨花から文献を取り、ぱらぱらと内容に目を通していった。