結構な腕前で!
「……っぎゃーーーーっ!!」
煙が目の前に迫る。
見た目は煙なのだが、もういい加減、これが単なる気体でないことはわかっている。
菓子きりは刺さるし、扇で斬れる。
そして斬られたところから崩れたものは、ちゃんと固体なのだ。
……あまり見たくないので、はたしてどういうものなのか、まじまじと見たことはないが。
もう武器を構える余裕もない。
さっきまでは守ってくれてたのにいきなり何だ、と頭の中を走馬燈が駆け巡る(単なる暴言が物凄い勢いで迸り出た、とも言う)。
目の前に迫る煙に、思わず萌実は目を閉じた。
だが。
ぱし! という音と共に、ばちばちっと火花が散り、萌実は驚いて目を開けた。
自分に向かってきていた煙が、少し上で動きを止めている。
「チャンスですよ!」
せとかの声が後ろから聞こえた、と思った瞬間、萌実の手が後ろから包まれた。
そのまま操り人形のように後ろから萌実の手を握ったせとかが、煙の前で手を翳すように持ち上げた。
「粉砕」
萌実の耳の横で、せとかが短く言った途端、目の前の煙は爆発するように砕け散った。
「……」
萌実はただ、きらきらと光りながら畳に落ちる煙の残骸を見つめていた。
何が起こったのだろう。
「わ~、凄~い」
「せとかの力の放出、久々に見た~」
「「でも粉々だから、集めるのたいへ~ん」」
はるかとはるみが言いながら、箒と塵取りを持ってくる。
萌実はただ、ぼんやりと突っ立っていた。
思いっきり自分に向かってきていた煙が、すぐ前で止まったのも謎だし、その後の、せとかの攻撃。
呪文的なものを口にしたのはせとかだが、あのとき萌実の手の平にも、明らかに異変があった。
手の平から火が噴くかと思ったぐらい、熱くなったのだ。
煙が目の前に迫る。
見た目は煙なのだが、もういい加減、これが単なる気体でないことはわかっている。
菓子きりは刺さるし、扇で斬れる。
そして斬られたところから崩れたものは、ちゃんと固体なのだ。
……あまり見たくないので、はたしてどういうものなのか、まじまじと見たことはないが。
もう武器を構える余裕もない。
さっきまでは守ってくれてたのにいきなり何だ、と頭の中を走馬燈が駆け巡る(単なる暴言が物凄い勢いで迸り出た、とも言う)。
目の前に迫る煙に、思わず萌実は目を閉じた。
だが。
ぱし! という音と共に、ばちばちっと火花が散り、萌実は驚いて目を開けた。
自分に向かってきていた煙が、少し上で動きを止めている。
「チャンスですよ!」
せとかの声が後ろから聞こえた、と思った瞬間、萌実の手が後ろから包まれた。
そのまま操り人形のように後ろから萌実の手を握ったせとかが、煙の前で手を翳すように持ち上げた。
「粉砕」
萌実の耳の横で、せとかが短く言った途端、目の前の煙は爆発するように砕け散った。
「……」
萌実はただ、きらきらと光りながら畳に落ちる煙の残骸を見つめていた。
何が起こったのだろう。
「わ~、凄~い」
「せとかの力の放出、久々に見た~」
「「でも粉々だから、集めるのたいへ~ん」」
はるかとはるみが言いながら、箒と塵取りを持ってくる。
萌実はただ、ぼんやりと突っ立っていた。
思いっきり自分に向かってきていた煙が、すぐ前で止まったのも謎だし、その後の、せとかの攻撃。
呪文的なものを口にしたのはせとかだが、あのとき萌実の手の平にも、明らかに異変があった。
手の平から火が噴くかと思ったぐらい、熱くなったのだ。