ある夜の出来事

携帯を開いて、着信の相手を確認した彼は、小さなため息を漏らした後、



「すいません、ちょっと向こうで話してきます」




そう言って立ち上がった。




一人になった私は、運ばれてきていた肉じゃがをつまむ。




時計を見ると、まだお店に入って30分もたっていなかった。




このまま解散になるのかな。


せっかくなのに、大した話もできなかったな…。

でもでも、こんな経験初めてだし、あの吉田有弥に会えたんだもん。


すごい貴重なことだよね!



日本代表に選ばれるくらいすごい人なのに、全然偉ぶってないし、何しろテレビで見るよりずっとカッコいい。

年下だけど、なんだか大人っぽくて…。



ますますファンになったかも…。





そんな風にあれこれ思っていたら、彼が席に戻ってきた。
< 21 / 26 >

この作品をシェア

pagetop