ある夜の出来事
携帯を開いて、着信の相手を確認した彼は、小さなため息を漏らした後、
「すいません、ちょっと向こうで話してきます」
そう言って立ち上がった。
一人になった私は、運ばれてきていた肉じゃがをつまむ。
時計を見ると、まだお店に入って30分もたっていなかった。
このまま解散になるのかな。
せっかくなのに、大した話もできなかったな…。
でもでも、こんな経験初めてだし、あの吉田有弥に会えたんだもん。
すごい貴重なことだよね!
日本代表に選ばれるくらいすごい人なのに、全然偉ぶってないし、何しろテレビで見るよりずっとカッコいい。
年下だけど、なんだか大人っぽくて…。
ますますファンになったかも…。
そんな風にあれこれ思っていたら、彼が席に戻ってきた。