last summer
「紗香っ!!」
紗香の方に向かって走っていく私を少し見て
また海を見て指をさす。
「快晴くんが…落ちちゃった。」
どうやら私の見間違いじゃないようだ。
ほんの一瞬で音を立てて崩れた快晴との
思い出。
「…紗香…ママとかに…伝えてきて…」
頷いて一目散に走っていく。
流石に姉嫌いな妹でも異常事態過ぎて
しっかりということを聞いてくれた。
そして紗香が消えた瞬間
涙が止まらなくなった。
「…っ…っ!」 「うわぁぁあああん」
「…ヒックどうして?…ヒックどうして快晴が?」
「快晴…っ…かいせぃぃぃいいい!!…っ」
泣いても泣いても涙が止まらない。
何でだろ、快晴って自分の全てだったのかな…
泣いても泣いても快晴は帰ってこないけど。
ただ…ただ…またひょっこり出てきて
笑ってくれるかも…っていう希望が出てくるかも
という願望で。