last summer


凜が警察に電話をし、捜索願いを出してくれた。


凜も混乱しているらしくパニックになりながら
警察官の質問に一生懸命答えてる。


少ししたらパトカーが何台かと救急車が
来て捜索が開始された。


快晴の遺体は一旦沈まれたあと
そのまま流され岩に引っ掛かっていたので
見つけるのが簡単だったらしい。


だが引き上げられた快晴を見ると今までずっと
伝えたかったことや気持ちなどがいっぺんに
こみ上げてきてしまいその場にいられなかった。


「ごめんね…ちょっと気分悪いから休んでくる。」


早口で夢咲に伝えるとまだぬかるんでいる
砂浜の上を涙を落としながら走った。


もしかしたらこの涙を追って快晴が
着いてきてくれるんじゃないかと
考えてしまって。


もう、戻ってこないのに…


もう、泣いて喚いても無駄なのに…


考えるほど嗚咽が襲ってくる。


なのにどうしても道しるべを残してしまう。
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