初恋のキミは最愛ヒーロー

「…本当に、お前らが……」


弱々しい声が零れ落ちる。


紅月の背中は、悲しみなのか怒りなのか、僅かに震えていた。


「ようやく事実を受け入れたか。ついでに言っとくけど、この街のグループに入れたのも、お前がしつこく懇願してきたのと、今度はもっと金を持ってくるかもっていう多少の期待があったから。ただ、それだけ。だよな、ケイタ」


「ああ。せっかくこの街のグループで楽しくやってたのに、偶然…駅前で玲音に再会しちまった時は、正直言って最悪だと思ったよ。でも、俺らの情けのおかげで、お前は…また居場所を作れたんだ。感謝しろよな?」


ハハッと笑い飛ばす二人。


沈黙している紅月。


沸々と心の奥から湧き上がってくる熱い何かが、パチンと弾ける音がした。


「………何が情けだ、バカバカしい」


気付けば、驚くぐらいの低い声が飛び出す。


男たちの不機嫌そうな視線が俺に注がれた。


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