初恋のキミは最愛ヒーロー

「壱夜くん、そのストラップ…綺麗だね」


ガラスボトルの中に入ってるのは、ビーズかな…?


水色や青色、緑色など様々な色と大きさのものが詰めこまれていて、小さなコルクで栓をされている。


オシャレだなぁ…。


「ビックリした…。いきなり大きな声で話しかけんのは止めろ。心臓に悪いから」


壱夜くんは驚いた様子で、こちらに振り向く。


「ストラップ、何につけてるの?」


「キーケース。いつも持ち歩くものにつけておきたいと思ったから」


「そっかぁ…。これ、どこで買ったの?」


「買ったと言えば買ったし、貰ったと言えば貰った」


「えっ、それって……」


どういうことなのか聞こうとしたけれど、私は途中で言葉を止めた。


なぜなら、外側に出ていたストラップをゆっくりとポケットの中に入れる壱夜くんの表情が…


今まで見たことがないような、とても穏やかで優しい笑みを浮かべていたから。



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