初恋のキミは最愛ヒーロー
「………………」
「………………」
「……今ので、痛めたところとかねぇか?」
「う、うん…大丈夫。壱夜くんが受け止めてくれたから」
「なら、いいけど…」
少し呆れてる感がありつつも、安堵してるような声。
“壱夜くんの方こそ、ケガしてない?”
“私…重かったよね、本当にごめんね”
言いたいことは色々とあるのに、言葉が続かない。
胸のドキドキが凄すぎて。
お互い、暫く沈黙していると、医務室のドアの開く音が響いた。
「悪い、遅くなった!ちょっとトラブルがあって……って、あれ?二人とも、座って何してんの?」
その声に反応して振り向くと、息の荒い桃舞くんの姿が映る。
驚きと若干の戸惑いが混ざった表情。
無理もないよね。
医務室で、二人して床に座ったままの状態でいるなんて、不思議な光景にしか見えないと思うし…。
私は、慌てて立ち上がった。