初恋のキミは最愛ヒーロー
その後、私たちは2年生の教室に移動。
桃舞くんたちと別れて、3組へ。
中に入ると、生徒たちの視線が壱夜くんへと注がれる。
怖がってる人やビクビクしてる人、まだ結構いるなぁ…。
確かに、外見で判断しちゃうと少し怖いイメージを持ってしまうかもしれないけど…
実際に会話をしたら、印象はガラリと変わると思うんだよね…。
でも、壱夜くん自身が“今のままでいい”っていうスタンスだからなぁ…。
チラリと隣の壱夜くんを見ると、少し眉を寄せながら教室をキョロキョロと見回していた。
「俺の席、どこだろ」
ああ、席を探していたのか。
「ほら、黒板に席順が書かれてるっぽいよ!あれを見れば分かるんじゃない?」
「……ふーん」
壱夜くんの後を追いかけて、黒板の前へ。
席は五十音順。
窓際の一番前から順番になってるらしい。
私は、窓際の前から二番目かぁ…。
えっと、隣の席は……
うそっ、壱夜くん!?
驚きのあまり、黒板と壱夜くんを何度も交互に見てしまった。