初恋のキミは最愛ヒーロー

「俺と莉彩は3組。桃舞と紅月は4組だった」


「「えっ!?」」


私と桃舞くんの声が、見事なぐらいにピッタリと重なる。


そのボリュームの大きさに、壱夜くんは顔を歪めた。


「二人揃って声がデカい。うるさい」


「ご、ごめんね。壱夜くんと同じクラスになれると思わなかったから、驚いちゃって」


「っていうか、なんで壱夜だけが莉彩ちゃんと同じクラスになってんだよ」


「そんなこと知るか。俺が決めたわけじゃあるまいし」


確かに、決めたのは先生たちだもんね…。


それにしても、壱夜くんとクラスが一緒だなんて、かなり嬉しすぎる…!


新学期が始まる前から、同じクラスになれたらいいな…って願望はあったけど…


確率的なことを考慮すると、なかなか難しいよなぁ…と思ってたんだよね。


まさか、実現するとは思わなかった。


これからは、授業中にも壱夜くんを見ることが出来るんだ…。


頭の中で想像を繰り広げながら、自然と頬が緩んでしまった。


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