初恋のキミは最愛ヒーロー
『そうね、そうしよう!お父さんにも伝えておかなくちゃ…!』
再び、お母さんがメールを送る。
『あ、返ってきた!お父さん、今日はいつもより早く帰れそうだって。電車に乗ったら、またメールするって!』
『私、着替えてくる!』
自分の部屋に行って、慌ただしく身支度を整えて再びリビングへ。
“そんなに直ぐには連絡来ないわよ”と微笑むお母さんの言葉に頷きながらも、テーブルの周りをウロウロしてしまう。
早く謝りたいな…。
座ったり、立ち上がったり。
窓の外を眺めてみたり。
何だか落ち着かなくて、しばらく挙動不審な行動をしていると、お母さんが優しい笑顔で私の頭をポンポンと撫でた。
『莉彩、お父さんと仲直り出来る?』
『うん』
『よし!駅にお迎えに行って、仲直りして、明後日は明るく楽しくお花見しましょ?』
『うんっ!』
先週交わした、“3人でお花見に行こう”っていう約束。
明後日の日曜日は、天気も晴れの予想だし、桜も今が満開で見頃。
まさに、お花見日和だ。