初恋のキミは最愛ヒーロー

『そうね、そうしよう!お父さんにも伝えておかなくちゃ…!』


再び、お母さんがメールを送る。


『あ、返ってきた!お父さん、今日はいつもより早く帰れそうだって。電車に乗ったら、またメールするって!』


『私、着替えてくる!』


自分の部屋に行って、慌ただしく身支度を整えて再びリビングへ。


“そんなに直ぐには連絡来ないわよ”と微笑むお母さんの言葉に頷きながらも、テーブルの周りをウロウロしてしまう。


早く謝りたいな…。


座ったり、立ち上がったり。


窓の外を眺めてみたり。


何だか落ち着かなくて、しばらく挙動不審な行動をしていると、お母さんが優しい笑顔で私の頭をポンポンと撫でた。


『莉彩、お父さんと仲直り出来る?』


『うん』


『よし!駅にお迎えに行って、仲直りして、明後日は明るく楽しくお花見しましょ?』


『うんっ!』


先週交わした、“3人でお花見に行こう”っていう約束。


明後日の日曜日は、天気も晴れの予想だし、桜も今が満開で見頃。


まさに、お花見日和だ。


< 307 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop