初恋のキミは最愛ヒーロー
「俺の声に反応して振り向いた父さんも、今の碧瀬みたいに驚いた顔してたよ」
「う、うん。そうだと思う……」
「碧瀬のお節介気質がうつったのかもしれないな、俺」
「私!?」
なんか壱夜くんにも同じようなニュアンスのことを言われた記憶が……。
「もちろん、それだけじゃないけど」
「えっ?」
「いつも俺の話を受け流すんじゃなくて、ちゃんと親身になって受け止めてくれる黒河内、神楽、そして碧瀬。アンタたちと関わってるうちに、俺は新しい家族としっかり向き合おうって思えてきたんだよ」
「玲音くん……」
「そうやって前向きに考えられるようになったのは、アンタたち3人と出会って友達になったおかげ」
そんな風に言ってもらえると嬉しいな。
頬を緩めて笑う玲音くんに胸が熱くなるのを感じた。
「でさ、話の続きなんだけど……」
「うん」
「無視されるか、“何でもない”と冷たくあしらってくるか。すぐに思いついた反応はそれぐらいだった。でも実際に返ってきた反応は、かなり意外だった」
その時の光景を思い浮かべているのか、玲音くんはフッと笑った。