初恋のキミは最愛ヒーロー
「良かったね、玲音くん」
本当に良かった…。
私も笑顔で言葉を掛けた。
「碧瀬に一番最初に聞いて欲しかったんだ。だから、今日話せて嬉しかった」
「どうして私に……?」
「アンタが喜んでくれる顔を最初に見たかったから。このところ、アンタの楽しそうに笑う姿とかご無沙汰だし」
もしかして、この素敵な場所に連れて来てくれたのも、私が笑顔になれるように…?
「……黒河内と色々あったんだろ?」
ああ、やっぱり……。
「……知ってるんだね」
「神楽と黒河内が話してるのを偶然聞いたんだ。今まで黙っててごめんな」
「ううん、いいの。むしろ、いつも通りに接してもらえて楽だったから。気遣ってくれてありがとう」
いつまでもウジウジしてるのは良くないよね。
頑張って気持ちを切り替えなくちゃ。
壱夜くんと普通の友達になれるように。
心を奮い立たせていると、不意に玲音くんの手が私の手に重ねられた。