【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
風邪が治ったのに全く連絡をくれない人だ。
もう私とは、連絡を取りたくないに違いない。

向井のシャツから手を離し、口ごもる芽衣。

下を向いて芽衣は、全てを後悔していた。

どうして、ガラにもなく真知子に紹介なんか頼んだんだろう。

どうして、気に入らないモテ男と二人で会ったりしたんだろう。

どうして、心配なんかしてお見舞いにまで行ったんだろう。

どうして、今日、祐美と祐美おすすめの店で夕飯を食べることにしたんだろう。

どうして、また私は外見のいいモテ男に引っかかっているんだろう。


どうして……。


下を向いていた芽衣は、突然後ろから腰に腕を回され柔らかくハグされていた。

驚いて芽衣は体を硬くし顔を横に向けた。

芽衣の左肩にのりかかる顎。
間近で見るこの異国情緒溢れる顔には見覚えがあった。

つるんとした肌質、高い鼻筋、長い睫毛が下を向いている。

その睫毛が瞬きして動くと、日本人離れしたくっきりした二重瞼の大きな瞳が芽衣の方を見た。



芽衣は耳元で「芽衣、なんで?」と言われていた。

「え?」

「なんで俺に芽衣が店に来たことを言わなくてもいいんだよ」

「そ、それは」

梨田の手を外そうとして腰に回された梨田の手に触れる。

レストランでハグしてくるなんて外見も日本人離れしているが、行動も外人みたいだ。


骨ばった大きな手に触れ、なぜだかわからないがひどく動揺していた。

梨田の指にぎこちなく触れた芽衣の指は、梨田の手に力強く掴まれてしまう。

同時に芽衣の腰に回された腕は離れたのだが、芽衣の指は、梨田に確保された状態になっていた。
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