【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
「別にあんたが何考えてようと俺は構わないよ。俺が知りたいのは、ドタキャンを食らった女と俺が朝まで一緒に過ごせるかどうかってこと……それだけだから」
「は?あなた何言ってるの? 最高に馬鹿みたい。いい加減にしてよっ」
怒りをあらわにして店の出入り口へ急ぐ芽衣。
早く離れたい。
一刻も早く、あんな男から離れなきゃ。
会計の辺りにいたスタッフにキャンセル料がかかるかを確認してから、芽衣はレストランを出た。
会計は梨田さんがカードで払うことになっていると言われた。
最悪な気分だ。
初めて会う男にドタキャンされた挙句、変な男に付きまとわれて。
駅の方向へ歩いていると、
「おい、あんた」
と後ろから肩を掴まれ声がかけられた。
振り返ると、また性懲りもなく現れたのは、あのモテ男だった。
「まだ、何か?」
これ以上何か言ってきたら、絶対に訴えてやる。痴漢かストーカーだと警察に電話してやる。
ムッとしている芽衣に男は微笑んだ。
「ね、どこ行くの?」
「帰るに決まってるじゃない、悪い?」
「送るから車に乗ってかない?」
車のキーをぶらつかせて見せる男。