【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
最低だ。車で釣る気?ナンパか?
そんな風に思えるチャラさ満載のセリフだ。

「結構です」
強めに断り、肩を怒らせながら芽衣は駅へ向かう。

男は芽衣の隣まですぐに寄ってきて、芽衣に歩調を合わせる。
「なんで、あっ、わかった、車に抵抗ある? 密室だから何されるかわかんないとか。どこか山にでも連れてかれそうとか思ってる訳? ね、俺をめちゃくちゃ警戒してんの?」

こいつ、おしゃべりだ。
男のくせにおしゃべりすぎて、嫌になる。

芽衣はバッグのファスナーを開いてスマホを取り出した。

「いえ。私はあなたみたいな人が嫌いだから早く離れたいだけです」
男の方には顔も向けずに芽衣は真っ直ぐ進んだ。

今度、少しでも触ってきたら、必ず通報してやる。

「なんで?俺、結構モテるのに」

「モテようがモテまいが、知りません。あなたは私のタイプではないので」
しらっと答える芽衣。


「あんたのタイプを教えてよ。俺、すごく興味あるから」

「どうして?」

「え?」

「どうして、私にしつこくしてくるの?他の人にすればいいじゃない。あなた、モテるんでしょう?」
嫌味を言ったつもりだった。目の前の信号が青になり横断歩道を渡る2人。


「ああ、俺もそうしたいんだけどさ。俺は生まれながらのハンターだから」

「は? 何?」

「狙った獲物は必ずしとめたい。それも狙いを定めたその日のうちにね」
男は芽衣の腕を掴んだ。

横断歩道で立ち止まる芽衣と男。
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