【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!

「ハンター? かっこつけないでよ。私はあなたみたいな人は嫌いなの。絶対にあなたとは朝まで話をするつもりも、星を見に行くつもりもないから」

「そ? じゃあ、俺の家にくる?」

バカバカしくて返事もしたくない。スマホを持ち上げセキュリティロックを解除した。

「DVDとか沢山あるから…映画は好き?」

「……あの、私を軽い女だと思ってますよね?」

「まさか思ってないよ。赤だ、とりあえず走って」
男は自分で横断歩道に芽衣を引き止めた割に、今度は走れと命令していた。
しかも、芽衣の手首を掴んでいる。

走って横断歩道を渡り終えた時、芽衣の手首を離して男が言った。

「そうだ。朝までうちでゲームやる?」

「やりません。絶対に行きませんから…それより」
言葉を切り芽衣はスマホ画面を見せる。
すぐに電話をかけられる画面を表示していた。

「あなた、私に触りましたね」
110と番号を入力する芽衣。

「いや、触ったって手だけだろ?そんなの触った事にならないよ」

「なります。今から警察に通報していいですか?」
芽衣は通話ボタンを押せば警察にかけられるんだという意思表示の為に、スマホ画面を男に見せた。
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