花岡4姉妹の恋愛日記
「あ」


そうだった、鈴木のパン屋で明日の朝食買ってこいって頼まれてたんだった…。


引き返してパンナのドアを開ける。


ーカランカラン。


ドアの上に付けられたベルが揺れて鳴る。


「いらっしゃい…あら、夏凛ちゃんじゃないの!


もうちょっと待っててね、もうすぐ揚がるから。」


おばあちゃんが奥から出てきて言った。


私はここの常連客。


1週間に1回は来てる。


毎週月曜日。


“もうすぐ揚がる”って言うのは…


カレーパンとかじゃなくて、


「はい、出来たよ、コロッケ。」


「ありがとう!」


ここのコロッケ、超美味しいんだよね。


タダで私にくれる。


私は大体月曜日のこの時間に来るから、それに合うように作っておいてくれる。


もちろん、プラスしておまけに4つ付けてくれるから、夕食は週1でコロッケ。


中身が毎回違うから飽きないし。


パンをいくつか買ってお金を払い店を出る。


「ありがとうね〜。」


店の中から聞こえるおばあちゃんの声を背に、家へ向かう。
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