散歩道
楽しい期間はあっという間で、体育祭がもう明日まで迫っていた。
体育祭前日の今日は、準備のために1日授業がつぶれる。
それは嬉しいのだけれど、私はなんとなく切なかった。
これが終われば、次に待っているのは期末考査で。
これが終われば、誠也さんとの関わりがほとんどなくなる。
せっかくここまで仲良くなれたのに、またもとにもどってしまいそうだ。
『ちょっと、麻里ー?どうするつもりなのぉ?』
『えっ!?…ん?何が?』
いきなり奈美に話しかけられ、驚きながら答えた。
私がぼんやりしているうちに、担当のグランド整備はほとんど終わっていた。
私はどれくらい考え込んでいたのだろう?
『誠也さんのこと。明日で最後なんだよ?』
奈美は、周りを気にするように小声で言った。
『言っとくけど。誠也さん、この期間でだいぶファン増えたと思うよ?』
『うん…わかってるよ』
そうなのだ。
誠也さんは優しい。
顔だってそこそこだ。
この体育祭の準備期間に、少しでも誠也さんに関わった子なら、好きになっていてもおかしくない。
話したりしていなくても、見ているだけでもかっこいいと思っている子はいるはずだ。
『麻里はさ。好きなんだよね?』
『う…うん?』
私は曖昧に返事をした。
『なにそれ?好きじゃないの?』
『う〜ん、好きだよ。好きだけどね…』
『だけど?』
ずっと考えてた。
この気持ちは、もしかしたら勘違いなんじゃないかって。
『だけど…確信がない』
『は?確信?』
『うん…』
ただあの頃の気持ちを忘れられないだけなんじゃないかって。
体育祭前日の今日は、準備のために1日授業がつぶれる。
それは嬉しいのだけれど、私はなんとなく切なかった。
これが終われば、次に待っているのは期末考査で。
これが終われば、誠也さんとの関わりがほとんどなくなる。
せっかくここまで仲良くなれたのに、またもとにもどってしまいそうだ。
『ちょっと、麻里ー?どうするつもりなのぉ?』
『えっ!?…ん?何が?』
いきなり奈美に話しかけられ、驚きながら答えた。
私がぼんやりしているうちに、担当のグランド整備はほとんど終わっていた。
私はどれくらい考え込んでいたのだろう?
『誠也さんのこと。明日で最後なんだよ?』
奈美は、周りを気にするように小声で言った。
『言っとくけど。誠也さん、この期間でだいぶファン増えたと思うよ?』
『うん…わかってるよ』
そうなのだ。
誠也さんは優しい。
顔だってそこそこだ。
この体育祭の準備期間に、少しでも誠也さんに関わった子なら、好きになっていてもおかしくない。
話したりしていなくても、見ているだけでもかっこいいと思っている子はいるはずだ。
『麻里はさ。好きなんだよね?』
『う…うん?』
私は曖昧に返事をした。
『なにそれ?好きじゃないの?』
『う〜ん、好きだよ。好きだけどね…』
『だけど?』
ずっと考えてた。
この気持ちは、もしかしたら勘違いなんじゃないかって。
『だけど…確信がない』
『は?確信?』
『うん…』
ただあの頃の気持ちを忘れられないだけなんじゃないかって。