妹の恋人[完]
「どうした?」

扉を開けてカナコを中に入れる。

「ごめんね、あのね、宿題で分からないところがあって」

いつもは学校から帰ってきたら夕飯までには宿題を終わらせているカナコ。

もう夜の9時を過ぎたというのに、まだ宿題をやっていたなんて驚いた。

いつもなら寝ていてもおかしくない時間なのに。

「今日スイミングがあってね、宿題やるの忘れていたの」

算数のノートを持ってきて、俺の机の上に広げた。

「ここの計算がわからないの」

いくつかある問題のうち、2問だけ空欄の問題があった。

解き方を説明すると、そうか!とひらめいたようで、最後は自分で全部解くことができた。

「ありがとう!やっと寝れるー!」

おやすみなさい!と元気に部屋を出て行ったカナコ。

なんだかんだとハナちゃんと遊びまわっている割には、成績のいいカナコ。

母さんが言うには、宿題以外にも母さんが買ってきたワークをやったりしているらしい。

俺も見習ってもう少し頑張ろう。
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