妹の恋人[完]
「浅野君は、塾へ行かないの?」

同じクラスで、副委員長をやっている高橋さんに聞かれた。

彼女は成績優秀で、俺と同じ近くの公立高校が第一志望らしい。

「できれば自力で勉強したいんだけど、どうかな?」

今までの成績を保つことなら、塾へ通わなくても大丈夫だろうけど、もっと上を目指すならやはり必要?

バスケットを引退してからじゃ遅いんだろうか?

「私は2年生の時から駅前の塾に通っているの。もしよかったら一緒にどう?」

そうすれば、お互いを高めあえると思うのよね、高橋さんはそう言いながら学級日誌を書いている。

3年生になってからもクラス委員を務めている俺は、なかなか忙しい。

クラスが離れてしまった大野君も、部活以外ではなかなか会えなくなってしまった。

「塾は・・・もう少し考えるよ」

秋の大会でバスケットを引退する予定だから、それまでは自力で何とかしたいな。
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