妹の恋人[完]
テストが終わり、早く帰った日。

カナコよりも先に帰宅できるのと、テストが全部終わったのとで、何もせずにカナコの帰りを待っていた。

3時過ぎに「ただいまぁ!」と元気に帰ってきたカナコ。

今日はスイミングの日だから、仲良しのハナちゃんと一緒に行くんだ!と楽しそうに話してくれる。

いつもはバスで行くスイミングだけど、今日は母さんに頼んで俺も一緒に車で送ってもらうことにした。

駅向こうにあるスイミングスクール。

一度見学してみたかったんだ。

ハナちゃんを迎えに行き、母さんの運転する車でスイミングスクールへ。

見学スペースにあるベンチに母さんと座り、カナコたちのスイミングの様子を見ていた。

「コウヘイ、勉強は順調?」

カナコが何も持たずに頑張って泳いでいる姿に感動していた俺は、急に話しかけられてびっくりした。

「うん。がんばってる。テストの結果がもし悪かったら、塾に行きたいと思っているんだけど、いいかな?」

前にちらっと塾の話はしたことがあったけど、改めて頼むのは初めて。

家で頑張れたらそれに越したことはないけど、今までの努力で足りないようなら、やはり塾で勉強したい。

「それは構わないわ。成績が良かったとしても、塾で勉強してもいいのよ」

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