妹の恋人[完]
帰り道は塾での勉強についてあれこれ教えてもらい、学校の授業とはまた違ってなんだかとても楽しそうだった。

高橋さんの家は俺の家と途中まで同じ道で、つきあたりを左右に分かれる形になる。

「それじゃ、また明日学校でね!」

学年3位で悔しかった気持よりも、塾での勉強が楽しみになってきて、ウキウキしながら家へ帰った。

翌日。

学校でテストがある時もそうだけど、朝カナコが家を出る前の俺にぎゅーっと抱きついてきて「おにいちゃん、がんばってね!」と言ってくれた。

いつもこうして俺に元気をくれているカナコ。

今日は学校帰りに塾でテストを受けてくる。

その成績次第で塾に入れるか、そして入った後の授業を受けるクラス分けをされるらしい。

「おにいちゃんならきっと大丈夫!」

テストの成績を話すと、母さんはよく頑張ったわねととにかくほめてくれた。

カナコも、自分のことのように喜んでくれた。

でも、俺はそれじゃ満足していないから頑張るんだ。

順位もそうだけど、絶対に合格したいんだ。公立高校に。

家から通うこと、カナコの自慢の兄でいること。

ただ、それだけなんだ。

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