妹の恋人[完]
着慣れないスーツを着てバスに揺られて駅へ向かう。

今までは父さんも一緒だったから、なんだか不思議な感覚で。

駅に着き電車に乗り換えて揺られること数駅。

会社は、最寄駅から徒歩15分ほどの距離にある。

なれない道を歩き、会社に着いて指定された階へエレベーターで昇る。

同じように、気慣れない感じのスーツに包まれた人が何人かいたけど、俺と同じ会社の人だろうか?

エレベーターを降り、受付で名前を告げると一つの会議室へ通された。

「失礼します」

中へ入ると、すでに1人来ていたようで。

長い髪を一つにまとめた女性だった。

「おはようございます」

彼女の隣に腰を掛けると、俺とおなじエレベーターに乗っていた男性もやってきて。

3人で並んで座り、時間が来るまで待つことに。

「あの、今日は何名くらいいらっしゃるんでしょうか」

隣の女性に話しかけられて横を向くと、緊張しているのか頬を赤くしていて。

「ああ、どうでしょう?僕もよく知らないので・・・」

「ですよねぇ」
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