妹の恋人[完]
「俺も、カナコがいてくれてよかったよ。いなかったらきっと毎日コンビニ弁当」

「えー!」

一人だと、自炊もなかなかしないんじゃないだろうか。

明日から、本当の意味で仕事が始まる。

今までの研修とは、訳が違うだろうし、残業だって出てくるはず。

カナコも、もうすぐ試験が始まるだろう。

忙しい日々がはじまるけど、いつまでもこうして兄妹仲良く過ごせれば、それでいい。

「さあ、もう遅いぞ。明日も朝早いんだから」

「はーい。おにいちゃん、お休み!」

部屋へ戻るカナコを見送ってから、リビングの電気を消し、俺も自分の部屋へ戻った。

ベッドの上で、ふと携帯電話を取り出して画面を開く。

明日から、どんな仕事だろうか?

俺の希望した部署だといいけど。

久しぶりに、研修で一緒だった河合にメールを送ってみると、すぐに返事が返ってきて。

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