誘惑。
「なら、ご希望通りにしてやろうか?」

「……えっ!いいんですか?」

フッと笑ったかと思えば耳元で色っぽく、

「愛でてやる」

あっ……見覚えのある台詞。これは夢?

すぐさま塞がれた唇に夢ではない事を実感した。

が、その実感もする間もなくキスの嵐が降ってくる。

唇、頬、耳から、首筋へと擽ったいけど甘く吸い付かれる。

「あっ… んっ…か、かちょぉ… 」

時折、自分が発している甘ったるい声に課長は勝ち誇った目で私を見ている。

「課長はさすがに萎えるな。名前で呼んで?……呆れるほど可愛い声で」

「……っそ、そういちろう… さ、ん?」

「はい、よくできました」
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