誘惑。
息をするのがやっとで堪らずガクッと腰が抜けた。

「お前、もしかして…… はじめてか?」

今まで微動だにしなかった表情が一瞬だけ動いた気がした。

「え、えっと…… その… はじめて、なんです」

「キスも?」

「……はい」

堪らなくなり目線を外せば、頭上で大きな溜息が聞こえた。

「……っす、すみません」

「なんで謝る?」

「いや、なんか、私めんどくさいですよね?やっぱりセフレなんて…やめっ……
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