Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
うしろから私を抱きすくめながら、夕緋が耳もとでため息を漏らした。
「バスタオルまで巻いているなんて。ガードが固いにもほどがある。……剥がすよ?」
「だめ! だめです! ぜったいだめです!」
「お願い。触れたいんだ」
耳もとで掠れた囁き声を漏らされて、ああ、しまったと思った。
夕緋のこういう態度に、私はめっぽう弱い。
なにも答えずにうずくまっていると、彼の手が私のバスタオルの中に侵食してきた。
素肌を撫でながら、指先が妖艶にこの身を辿っていく。
「……やっぱりだめです!!」
「うわっ」
彼の腕から逃げ出したら、その拍子に大きな水飛沫が上がって、彼を頭から濡らした。
「……ひどいよ華穂」
そう言って夕緋はおもむろに濡れた目隠しを取って絞りだした。
「ああっ! ちょっと、勝手に取らないでください!」
「だってびしょびしょなんだよ? こんなに濡れたもの、つけてられないでしょう?」
「いいから、早く目を隠してください~!」
慌ててうしろを向いて身体を隠すと、背中からクスクスと笑う声が聞こえた。
肩越しに振り返ってみると、柔らかな笑みを浮かべる彼。
湯船に浮かんでいた薔薇の塊を、指の先でピンと弾いてこちらへ流した。
「バスタオルまで巻いているなんて。ガードが固いにもほどがある。……剥がすよ?」
「だめ! だめです! ぜったいだめです!」
「お願い。触れたいんだ」
耳もとで掠れた囁き声を漏らされて、ああ、しまったと思った。
夕緋のこういう態度に、私はめっぽう弱い。
なにも答えずにうずくまっていると、彼の手が私のバスタオルの中に侵食してきた。
素肌を撫でながら、指先が妖艶にこの身を辿っていく。
「……やっぱりだめです!!」
「うわっ」
彼の腕から逃げ出したら、その拍子に大きな水飛沫が上がって、彼を頭から濡らした。
「……ひどいよ華穂」
そう言って夕緋はおもむろに濡れた目隠しを取って絞りだした。
「ああっ! ちょっと、勝手に取らないでください!」
「だってびしょびしょなんだよ? こんなに濡れたもの、つけてられないでしょう?」
「いいから、早く目を隠してください~!」
慌ててうしろを向いて身体を隠すと、背中からクスクスと笑う声が聞こえた。
肩越しに振り返ってみると、柔らかな笑みを浮かべる彼。
湯船に浮かんでいた薔薇の塊を、指の先でピンと弾いてこちらへ流した。