ナミダ列車








「ハハハ、そんなにビビるなよー」

「ビビりますよ!」

「嘘かもしれないだろー」

「本当かもしれないじゃないですか!情報屋?未来からの刺客?知らない人がこんなに私のことを熟知してるわけない!」

「おーなんだかカッコイイ」

「んな呑気な!」





アンニュイな雰囲気に戻ったハルナさんは、チョイッとチョコレートの袋に指を忍ばせると、アーモンドチョコを口の中へと放り投げる。

ボリボリボリ…。

ああ、またすぐ噛み砕いて……アーモンドチョコの良さを分かってない男だ。






じゃなくて!




「真面目に答え……、」

こんなに後味悪いままボックス席をともになどしたくないんですけど、と唇を強く結んで動きを止める。

ハルナさんは、先ほどまでのヘラヘラした様子とは一転して、泡沫のように窓の外を眺めていたからだ。




移りゆく景色に。

深く思いを、馳せているように。




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