ナミダ列車








「ばぁちゃん〜、もう帰るの〜?」

「何を言ってんだよぉー、はやく帰って宿題やるんだべ?」

「やだ〜、めんどくさい〜、まだトモちゃんとこで遊んでたい〜」

「まぁ〜たこの子はワガママ言って。宿題がたんまりあるの、ちゃ〜んとばぁちゃんは知ってんだかんね〜?」

「いやだぁ〜、ミユはずっとトモちゃんとこでお絵かきしてたいよぉ」

「学校だってえらく大事だっぺよ」





口の中でコロコロと転がし、チョコレートを溶かしてからアーモンドを噛み砕く。

まろやかな甘みと芳醇な香りの二段構造を楽しんでいると、隣からそんな話し声が聞こえてきてしまった。

いや、聞くつもりじゃなかったんだけれど、ボックス席ってほら、かなり近いから。





────なんて、少し気になってハルナさんを盗み見てみると彼はまた窓の外を眺めている。

あまりに刹那的だったけれど、私の目には彼が夢幻と化しているように映った。




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