ナミダ列車







見れば視線は、動いている景色に向けられている。




「あなたは口を挟まないでください」

「特にアーモンドはうるさかったけど、他のチョコに関しても噛み砕くことを許してくれなかったよね。いろははいつも自分のエゴを押し付けてきてさ」

「……な、」




────なんでそんなことをあなたが知っているんだ。

ハルナさんに出会った当初、彼がアーモンドチョコをボリボリ砕いて食べていた時にはあまりに我慢できずに指摘してしまったけれど……。

いつもって、何。




やっぱり彼は、私の知らないことを知っているようだった。





「注目してるポイントが違うんだよ。俺は物質本来の食感を楽しんでいるし、いろはは個々の素材の味わいを楽しんでる。これもいつも言ってるのに」

「……ちょ…、」

「てことで、俺ももーらい」

「あっ!」




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