ナミダ列車
しかも夫婦って…、どうなったらそうなるんだ。そもそも私はそんな歳じゃないのに。
カップルだったらまだしも、いきなりぶっ飛んで夫婦になっている。本当に冗談じゃない。
「だよねだよねぇ…!はぁ…、いいなぁ!漫画で読んだシーンみたいで、ドキドキしちゃったよぉ!」
「……ドキドキ要素ないからね?」
「ありがとう。こうでもしなきゃ、彼女に俺の気持ちが伝わらないんだよ」
「はぁ?!」
「えええ!いいなぁ!いいなぁ!ミユもはやく大人になりたいなぁ!」
ミユちゃんは、スケッチブックを肘で挟んで両手を頬に添えると、ほんのり赤らめて恍惚とさせている。
おいおいおい、何を考えている…。
人殺したことがある、だとか、
ストーカーだとか、
魔法使い、だとか、
意味分からないことばかり言ってくる男と、まさか私がそういう関係にあると勘違いされるのは、いろいろ厳しいものがあった。
「……大人になるためには、尚更学校に行かねえといけねえべよ?」
何としても誤解を解きたくてあたふたしていると、ハルナさんの隣に座っている老婦人がもっともらしいことをミユちゃんへと投げかけた。