桜色の涙
「いつか、いつか絶対俺のことを好きにさせるから。それまでは気長に待っていてよ」
これからの未来がどうなるかなんてわからない。わからないけど、俺はこのときの選択を間違えたなんて思っていないよ。
どんな結果であったとしても、君と過ごした日々は俺にとって大切なんだ。
自分で決めた道を歩んでいきたい。そう思うよ。
「星那ちゃん、好きだよ」
今、君の頭の中にいるのは俺じゃないかもしれない。それでも俺はずっと待っているから。
そんな気持ちを込めて目の前の愛しい人を抱きしめる。
恋人としてこうするのは初めてだからか、改めて考えると緊張する。
「ありがとう、迅くん」
体で感じる君のぬくもりは「ありがとう」と微笑む言葉だけでは頼りなかった。