桜色の涙
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「広瀬くん、おめでとう!」
席に着くと同時に相変わらずの明るい声でそんな言葉が降ってくる。
今日から新学期。長いようで短かった夏休みも終わり、行事が何かと多くなる。
星那ちゃんと付き合うことになったというのはその日のうちに渚と橋本さんに伝えた。といっても直接ではなく電話で。
夏休み中は橋本さんの家で暗い雰囲気になってから4人で集まることはなかった。
でも、ふたりは俺の報告を聞いて本当に喜んでくれた。
橋本さんはその場で飛び跳ねているのがわかるくらい上機嫌だったし。
渚も素直におめでとうと言えないからなのか『まぁ、良かったんじゃねーの』と言ってくれた。
その声には確かに彼なりのあたたかさが含まれていて、俺はいい友達をもったと改めて感じた。
そして今も、橋本さんは俺が席に着くなり上機嫌で祝ってくれた。
他の人達には恥ずかしくて言えないものの朝から幸せな気分になる。