桜色の涙
体験学習は希望した班ができる特別な体験。だから俺達だけとは限らないんだ。
でも、まさかこんなことになるなんて。
俺の左隣には小谷さん。そして右隣には……星那がいる。
誰も仕組んではいない。これはただの偶然。それなのにこんな奇跡ってある?
気まずいと思う気持ちももちろんある。それよりも星那と近づけて嬉しいという気持ちの方が大きい。
「これから陶芸をします」
どうやらこの土地はかなり歴史のある場所らしく、今でも陶芸が盛んらしい。
作った物は持って帰ることができるらしいから俺も家で使おうと思う。
でも、今1番気にすべき問題は、隣が星那で集中できるかということ。
もちろん体験学習をおざなりにするつもりはないけど、星那の隣だなんて緊張して仕方がない。