桜色の涙

『星那、付き合ってください』


告白して俺達の距離が変わったのは中学2年生のとき。


友達から背中を押されたり、星那の告白される回数が増えたりと心配だった俺は、ついに自分から告白した。


結果はもちろんOK。それからずっと俺と星那は幸せな毎日を送っていたんだ。


……そう、そんな日常を俺が壊すまでは。




星那と広瀬が別れたことは知っている。


でも、広瀬がまだ星那を好きなことも、星那が未だに引きずっていることも知っている。


どうして別れたのかずっと気になっていた。


夏祭りに聞けなかったこと。今日なら聞けるかもしれない。そう思うと同時に俺との距離が縮まることを願っていた。




『星那』


『悠大、来てくれてありがとう』


意外と普通に話せたことが嬉しかった。夏祭りのときのように打ち解けた雰囲気で会話を続ける。
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