雨降る午後に

『じゃあ、よろしく』

有無を言わせず、走り去って、自分は、雨に濡れることもなく、彼女と合流。

あたしは、コピー機を借りに教務室へ寄り道して、コピーして、このザマ。

あたしは、服の下に避難させたノートを取り出した。

少し、濡れてる。

コピーした方は、どうせ渡せるのは明日だし、と、カバンにしまったから、無事だと思う。

けど、ノートは、春陽を見つけ次第渡せるように手に持ってたから…

ちょっと濡れてしまった。

乾いたもので拭きたいところだけれど、今のあたしの状態では無理だ。

服もびちょびちょ。

これから普通に改札を抜けて電車に乗るのもためらわれるくらいの濡れっぷりだ。

どっちにしろ、まだ、電車には乗れないけど。

春陽にノートを返さないといけない。

学校内に春陽の姿がなくて、駅までの道で見つけられるかと思って歩いてみてたんだけど、いなかった。

困ったな。
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