雨降る午後に

暖かい塊が横切って。

どうしたってあたしの体が邪魔なので、後姿の両肩に軽く触れて『ごめんね』ってのかされる。

邪魔だったから、どけただけ。なのに、どきっとした。

ちょっと待って。

ちょっと待って、ちょっと、待って。

三鷹ならともかく、春陽にどきっとかするのはやめようよ。

春陽だよ。ただの春陽。

みんなで集まってても、中心にいないタイプの。

かわいいね。って女の子たちが憧れないタイプの。

そうだ、驚いただけ。

そうなんだ。驚いただけなんだよ。

なんだ、びっくりした。

春陽は部屋の奥の窓の横にあるクローゼットを開けている。

ガラガラのその中を漁りだす。

ええと、あたしはどうしてたらいいんだろう。

目が泳ぐ。

おしゃれな感じの部屋。

綺麗にされてる部屋。

振り返って、ドアの横に、インターフォンを見つけた。

外の映像が映し出されるタイプ。
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