副社長のイジワルな溺愛

 有楽町の駅にほど近い繁華街は、多くの社会人でごった返している。
 時々すれ違う人とぶつかりそうになると、倉沢さんが気にかけて守ってくれたりして、ますます好きになってしまった。


「この店にみんないるはずなんだけど……あ、いたいた」

 通りから硝子越しに店内を見て、同僚を見つけた倉沢さんが入っていく。


「お疲れー! 倉沢さん、一番最後だよ」
「ごめんごめん、ゲスト連れてたからゆっくり歩いててさ」

 促されて、彼の背中から顔を覗かせると、聞いていた通り構造設計グループの女性が五人と男性が三人集まっていた。


「倉沢さん、本当に連れてきたんだ」
「え、なんで? いいじゃん別に。楽しく飲もうよ」
「そりゃそうなんだけどさ……ねぇ」

 女性たちは顔を見合わせて、『噂の副社長の相手』と言いたそうにしている。


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