副社長のイジワルな溺愛

 翌朝八時。
 深夜まで寝付けなかったのに、眠気もないし肌艶もいい。
 そっとベッドを出て、メイクまでの身支度をひと通り終えると、未だベッドで眠っている副社長の寝顔を見るために、枕元のフローリングにそっと座った。


 睫毛、長いなぁ。
 仕事が忙しいはずなのに、肌荒れは皆無だ。高級なスキンケア商品でも使ってるのかなぁ。
 いや、食べているものが良質なんだろうな。連れて行ってもらったお店のメニューは、どれも美味しかったもん。


「すー……」

 穏やかに寝息を立てている彼の唇に触れたくなって、できるだけ気配を消して膝立ちになる。
 ベッドに手を突いて、覗きこむように上向きの彼の顔を見下ろすと、不意に彼がまぶたを開けた。


「……ん? いま何時?」
「はっ、八時過ぎです」
「あ、そう……。あと三十分寝かせて」
「どうぞ!」

 
 あぁ、びっくりした。
 やっぱり慣れないことはするもんじゃないな……。


「っ!!」
「お前も道連れな」

 ぐいっと腕を引かれ、彼の腕の中に収まった私は、それから三十分ほどそのまま抱きしめられた。


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