副社長のイジワルな溺愛

 オーダーは彼に任せ、眺望に感嘆していたら、彼が携帯のシャッターを切った音がした。


「夜景を撮るのも好きなんですか?」
「夜景も、って?」
「前にタクシーから見えたハロウィン仕様の店先も撮ってたなぁと思って」
「あぁ……別にそういうことじゃないよ。茉夏と過ごした時に見たものを撮ってるだけで」

 何の気なしにそんなことを彼が言うから、私はぽかんとしてしまった。
 まさかそういう意味があったなんて思いもしなかったから……。


「いいね、そういう顔も」
「あっ、ちょっと!!」

 口を半開きにしたままの私を撮った彼は、楽しそうに私から携帯を遠ざける。

 絶対に変な顔だったのに!! お願いだからそんなの消去してください!


「いろんなお前の顔を残しておきたいの。これくらいのワガママは許せ」

 むーっと口を突きだして膨れたけれど、運ばれてきた美味しそうなスペアリブの誘惑には勝てなかった。


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