副社長のイジワルな溺愛
師走は慌ただしい。
今までは年越しをするのに、こんなに忙しいのが嫌だと思っていたけど、今年は違う。
もっともっと、一瞬で過ぎ去ればいいと願う。
一分でも一秒でも早く、年が明けてほしい。
そして、彼が無事に帰国してくれたら、何も文句はない。
お土産なんてなくてもいい。
ただ、今すぐに会いたい。
「深里さん」
「はい」
経理室長に呼ばれ、デスクに向かう。
何かミスがあったかと、こなした業務をハイライトで思い出すけど……どの話だろうか。
「今週末、世間はクリスマスだからね。深里さんにもクリスマスプレゼントです」
「ありがとうございます」
さすが“仏”と呼ばれているだけのことはある。
女子ウケしそうなレース柄のホッカイロ入れを包んだ、透明のラッピングを渡された。
香川さんやお局の先輩も、それぞれ手が空いていそうな順に呼ばれて受け取っている。
副社長には会えないけど、室長の心配りでいくらか癒された。