副社長のイジワルな溺愛
「俺も会いたかった」
駅前まで歩く間、彼がそっと話し出す。
冷気に漂う呼吸の白い靄も、キスをしてくれた彼の冷たい鼻先も……何もかもが思い出になっていく。
「茉夏が足りなくて、心がつぶれそうだったから、仕事を片付けて飛んで帰ってきた」
「私のこと考えてくれてたんですね」
「毎晩、ベッドで眠るたびに欲しくなりそうなくらいには考えてたよ」
クリスマスツリーのてっぺんにある星を見上げると、彼は何度も頬にキスをしてくる。
顔を向けると、甘い微笑みと共に唇が返されて――。
「今は、ここまでにしてっ……」
人目も憚らず、何度も何度も私の唇を求める彼にしがみついた。
「プレゼント、明日にでも一緒に買いに行こうな」
キスの嵐を浴びて困っている私を見るなり、満足げな彼は私の手を取って歩き出した。