副社長のイジワルな溺愛

 三月九日 金曜日。

 今日は創立百周年を控え、社内はお祭りムードだ。
 総務部は社内イベントを計画しているし、一般客も入場できる建設業ならではの催しがあると案内があった。



【今夜から、俺の家に泊まれる?】
【はい。仕事が終わって自宅に戻ったら行きますね】
【きっと茉夏のほうが先になるだろうから、合鍵はコンシェルジュに預けてある。次からはそれを使って構わないよ】


 とうとう合鍵を渡される仲になったのかと、またしても初めての経験に心が躍る。

 香川さんが有給消化に入り、あまり顔を合わせなくなって寂しいけど、本日も経理室は慌ただしい。
 去年の今頃よりも任される仕事が増えてきたし、何よりも彼のためになっていると思うと、どんなことでも楽しく取り組めるようになった。


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