副社長のイジワルな溺愛

 リビングの方からパタパタとスリッパの軽快な音がして、ドアが開けられた。


「どこに行ってたんですか? 朝から」
「え、いや……ちょっと」

 どこにって、お前を必死に探しに出ていたんだけど。
 起きてすぐに家中探して、いないから車を出して、可能性は低いと思った三キロ先のチャペルまで行ってきたのに。

 戻っていく彼女について、俺もリビングへ。
 おそらく味噌汁を作ってくれていると分かる匂いに、心底ホッとした。


「茉夏こそ、どこに行ってたんだ?」
「スーパーです。朝ごはん作ろうと思って冷蔵庫を見たら、食材が何もなくて。この一週間、ずっと外食だったんですね」
「あ、うん……そうなんだけどさ」

 スーパーに買い出しかよ。
 それならそうと、言ってから出て行ってくれてもよかったのに。


「携帯見た?」
「あ、そうだ。充電したままだった」

 自室に行こうとする彼女の手を咄嗟に掴んで引き止めた。


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